教育の特色
Characteristics

世界遺産専攻では、遺産の保護に関わるさまざまな分野の研究と教育を通じて、文化遺産およびに自然遺産の保存・修復、自然遺産の保護に関わる国際的な舞台で活躍する専門家の育成を目指しています。

本専攻は世界遺産をはじめとする多様な遺産の保存に必要な方法論の修得とマネージメント能力、および保存に関する技術的・科学的判断能力を修得することにより、国内外の遺産保護・活用に係わる人材を養成します。 文化-自然、有形-無形など、多種多様な遺産の保存には、多くの学問分野の専門知識が求められます。

そのため、世界遺産専攻では、哲学、宗教学、考古学、生物学、美術史、建築史、建築計画、都市計画、造園学、観光学、分析化学、地理学など、様々な分野出身の専任教員と授業担当教員による講義が行われています。また、文化庁において文化財保護行政に携わっている専門家を非常勤講師として迎えることにより、政策的課題やその対策、国際的動向など、行政における最新の情報を知ることができます。

遺産の保存に関わるには、専門知識を学ぶ講義に加えて、歴史的建造物や考古遺跡、伝統集落・農業景観、出土遺物や展示品など、現実に存在する遺産と向き合い、遺産が有している価値や直面している問題を知ることが重要です。そのため、講義に対応する演習を組み合わせ、実践的な知識の習得を図り、考え、解決する能力を訓練します。 世界遺産専攻の教育プログラムは、文化庁の協力を得て進められている他、国外の関連機関とも連携して行われています。

平成19年度からは、ドイツ連邦共和国ブランデンブルク工科大学コットブス校との間で学術交流及び協力が継続され、これまでに多数の学生が1年間を最長とした交換留学に参加しています。また、ユネスコ、イクロムの指導によって運営されているアジアン・アカデミーにメンバーとして加盟し、アジアン・アカデミーが主催するワークショップに多くの学生が参加しています。 ぜひ、筑波大学大学院の世界遺産専攻で、皆さんに向けて大きな一歩を踏み出してください。

The “Master’s Program in World Heritage Studies” aims at raising experts who work actively on the international stage in the field of conservation of cultural and natural heritage through a wide range of researches and education related to heritage preservation. World Heritage studies cover an extensive range of areas from cultural and natural heritage to the cultural landscape which lies on its boundary. You will focus on any of those areas as you learn World Heritage studies and advance your research. It is of no matter for those who already have their own goals, but it may be difficult for those who do not.

The “Master’s Program in World Heritage Studies” of Tsukuba University, therefore, offers three areas of specialty to support students to be able to learn World Heritage studies effectively and to go into related work after completion of the program. These three areas are “International Heritage Studies” for those who want to work for World Heritage conservation in the international society or to contribute to Japanʼs international cooperation programs, “Theory and Conservation” which is designed to seek methodologies to evaluate the value of heritage based on philosophy, aesthetics, art history and history of architecture, or for those who want to acquire basic knowledge to become conservation experts, and “Management and Planning of Heritage” where students can learn landscape planning, development and tourism planning, and heritage improvement with the purpose of preserving World Heritage and disseminating its value in view of the broader range of social context. You can also design your World Heritage studies by selecting courses related to your interest regardless of these areas. To meet various expectations of students, we have front-line faculty members in each area from cultural and natural heritage, preservation philosophy and aesthetics, art history, history of architecture, preservation science, construction planning and landscape studies to development and tourism planning. You will earn the degree of Master of World Heritage Studies or Master of Philosophy after completion of the program.

修士の学位
Master’s Degree

修士(世界遺産学) Master of World Heritage Studies
修士(学術) Master of Philosophy

主な進路
Career Paths

博士後期課程への進学:
筑波大学大学院,東京大学大学院,早稲田大学大学院

国・地方公共団体:
文部科学省,外務省,文化庁,特許庁,青森県,愛知県,台東区,千代田区,鎌倉市,市川市,堺市,富士市など

公的機関:
独立行政法人国際交流基金,独立行政法人東京文化財研究所,国立文化財機構,埼玉県民俗博物館,東北歴史博物館 など

コンサルタント関連企業他:
株式会社プレック研究所,パシフィックコンサルタント株式会社 など

マスコミ:
大分合同新聞,時事通信社 など

カリキュラム
Curriculum

世界遺産専攻では,自然遺産を含めて世界遺産全体にかかわる基礎的,総合的,技術的教育を行います。
修了には 以下の内訳を満たしつつ30単位以上が必要となります。

  • 必修科目 11単位
  • 選択科目 19単位以上

希望する分野から8単位程度を選択することが望ましい

◆他研究科・他専攻の科目(自然保護サーティフィケートプログラムの科目を含む)、大学院共通科目、学群の科目は、研究上の必要に応じて、指導教員と専攻長の承認を得て、10単位を限度として修了要件の選択科目として認定されます。

講義内容については,シラバスを参考にしてください。
2018世界遺産専攻シラバス
https://kdb.tsukuba.ac.jp/

社会人学生への就学支援

本専攻では,学生が職業等に従事しながら学習ができるように,一部の授業で遠隔授業システムを導入しています。就業時間後に,在宅での講義を聴講することが可能です。
長期履修制度との併用にすることで,社会人学生による就学を支援しています。
詳しくは,お問い合わせください。

【社会人学生受入実績】三重県職員,茨城県地方自治体職員

修士論文
Master’s Theses

修了生の修士論文タイトルをご紹介します。
(著者の意向により,ダウンロードできないものもあります。)

2018年度

  • 宮城県市町村における東北地方太平洋沖地震動産被災資料の現状-管理担当者への聞き取りから-
  • 「横浜中華街」の形成過程とその要因に関する研究
  • 猿島砲台跡における明治初期の国産煉瓦保存のための物性調査
  • 地域住民によるジオパーク活動のあり方に関する研究-室戸ユネスコ世界ジオパークを事例として-
  • フォークロアの国際的保護の歴史的変遷に関する研究-WIPO とユネスコのアプローチを中心に-
  • 鉱山遺跡の観光資源としての活用に関する現状と課題
  • 中国大遺跡における開発の現状と課題-杭州良渚文化村を事例として-
  • 日中両国における牌楼の変遷及び利用に関する研究-横浜、神戸、北京の牌楼を事例に-
  • 生物多様性を活かした地域づくりの研究-千葉県野田市コウノトリ野生復帰事業を例として-
  • 中国張家界世界ジオパークにおける解説板による地質情報の提供に関する研究
  • 中国朝鮮族農楽舞の保護の現状と課題-延辺朝鮮族自治州を中心に-
  • CFD を用いた風環境による露出展示遺構の劣化の予測に関する研究~猪方小川塚古墳を事例に~
  • 中学生の水環境意識-中国安徽省巣湖市における比較研究-
  • 飯能市におけるエコツアー実施団体及び住民参加の継続性に関する研究
  • インドネシアのロンボク島におけるサデ伝統的集落の空間分析研究-ササック部族の伝統的居住空間の変化について-

2017年度

2016年度

2015年度

2014年度

2013年度

2012年度

  • わが国の世界自然遺産の観光対象としての認識に関する研究
  • 文化財の不法輸出入と返還問題  – 植民地時代の事例を中心に –
  • 重要伝統的建造物群保存地区におけるサイン計画の分析と課題
  • フィリピン・マウントプロビンス・サガダにおけるコミュニティ・ベースド・ツーリズムに関する研究
  • 写真アーカイブによる奈良の歴史的イメージの研究   – 写真家・入江泰吉のスナップ写真の分析を通して
  • チュニジア、ル・ケフのサン・ピエール聖堂の建築的特性に関する研究
  • 「遺産」の用法に関する研究
  • 博物館等施設におけるコレクションとメディアの関係 – 展示の変遷と多様化する展示空間 –
  • 転用美術館における建物と展示の関係 – 東京都庭園美術館の事例研究 –
  • 足尾銅山における産業遺産の複合的資産価値に関する研究
  • 文化観光における体験プログラムに関する研究 – 鎌倉市建長寺の坐禅体験を事例として –
  • 歴史的地区川越における観光ガイド活動の実態とその役割に関する研究
  • 龍門石窟における初唐時期の阿弥陀造像の研究
  • 中国安徽省南部古村落の観光経営の体制に関する比較研究  - 世界文化遺産黄山市西逓・宏村を例として
  • 特定郵便局舎の保存と活用
  • 第二次世界大戦以降のベルリンにおけるドイツ戦争記念碑政策
  • 世界遺産と持続可能な開発に関する研究  - 文化遺産を対象とした取り組みの現状 –
  • 近世の城跡の史跡整備に関する研究

2011年度

  • 日本のステンドグラスにおける持続可能な現地保存に関する研究
  • 曇曜五窟の二仏並坐像について
  • カマン・カレホユック遺跡における考古学的調査及びその学術成果に伴う地域還元の可能性
  • 現代社会における寺院の現状と文化資源としての今後に関する一考察  – 鉱山都市相川における寺院の記憶継承の提案 –
  • 阿蘇カルデラ内における集落の変遷と保全
  • 雲岡石窟第三期の造像について
  • カタロニア・ヴォールトの成立、伝播、文化的意味について
  • 茨城県の歴史博物館・郷土博物館における教育普及活動の現状と課題  – 館と市民との連携に着目して –
  • 中東地域の考古遺跡における日本の発掘調査及び文化遺産保存事業の現状と課題
  • 茨城県水戸市弘道館における東日本大震災被害調査とその分析
  • MICEのユニークべニューとしての文化財活用の現状と課題
  • 兵庫県ヘリテージマネージャー養成講習会におけるプログラムの研究
  • 五箇山和紙の変遷に関する研究
  • 韓国における伝統集落の持続的な保存体制構築に向けた観光整備のあり方 – 慶州良洞マウルと順天楽安邑城マウルを事例に –
  • 住人が中心に配置している:ジョージタウン、マレーシアの都市再生に向けた文化によるコミュニティディベロップメントの活動の現状の分析的研究

2010年度

  • 日本における世界遺産教育の現状、課題と展望  ‐ 奈良市の初等教育を事例に ‐
  • 振動解析による遺跡活用評価と劣化診断調査法の確立
  • 伝統的地域社会における無形文化遺産保護に関する研究 ‐ 高山の祭礼を事例として ‐
  • シンガポール歴史地区における街路景観の研究 – カンポングラム、リトルインディア地区における正面ファサード –
  • 水戸市世界遺産推進運動に見る学問・教育遺産の可能性と意義
  • 映像作品における文化財活用の実態と課題 – フィルムコミッション活動を中心に –
  • 都心部に残存する近代建築の特徴に関する研究
  • 麦積山石窟第26、27号窟に関する一考察 – 壁画を中心に
  • 世界文化遺産「古都アユタヤ」における建造物遺産インタープリテーション

2009年度

  • 1931年のアテネ会議におけるアナスティローシス概念の誕生に関する研究
  • 世界遺産保護のための国際社会とビジネス・コミュニティの協力に関する研究
  • 無形文化遺産の保護に関する条約における文化的空間の考察
  • 東京都中央区における近代建築更新時の意匠決定要因‐ 商業・オフィスビルを事例に ‐
  • 組積造建築遺産の力学特性に関する研究‐ ハギア・ソフィア大聖堂の保存を目的とした構造解析 ‐
  • 煉瓦造建造物の予防的保存のためのモニタリング方法の提案- 旧富岡製糸場の木骨煉瓦造建造物における試み –
  • インドネシア・プランバナン国立遺跡公園における運営・管理の現状と課題
  • 高尾山地域における外国人観光客受入体制の現状と課題
  • 無形文化遺産が想定するもの -Folkloreを軸にした文化財保護法との比較から
  • 京都旧番組小学校校舎の保存と活用
  • 金沢における世界遺産登録推進運動の実態  – 関係主体の活動に着目して –
  • 中国北斉墓葬における晋陽墓葬の特殊性に関する一考察
  • 世界遺産登録地域における観光情報提供のあり方に関する研究- 日光の社寺を事例に –
  • 四国遍路の接待文化の現状 ‐ 徳島県における休憩所に着目して ‐
  • 無形文化遺産ワヤンの継承に関する研究
  • 近代和風建築「旧矢中龍次郎邸」の文化財的価値の評価
  • 旧佐世保海軍鎮守府施設(平瀬・立神地区)の建設経緯と保存状況
  • 考古遺跡の利用実態からみる遺跡の整備・活用の課題‐ 「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」を事例として ‐
  • 富士山麓の湧泉における天然記念物の保護に関する研究
  • 歴史的地区の保存状況からみる伝統的建造物群保存地区制度の役割

2008年度

  • 佐渡島の観光的魅力の変遷と形成への取り組みに関する研究
  • 地方寺院の地域における文化資源としての位置づけに関する一考察 – 栃木県大雄寺を事例として –
  • 日光における文化遺産ガイド組織の構造 – 日光殿堂案内協同組合と現代の文化遺産ガイド –
  • オランダの土地利用に関係する文化遺産と地域治水委員会の役割
  • 荏油を添加した漆が塗られた製品の保存科学的研究
  • 伝統的建造物群保存地区における街路舗装の現状と課題
  • 煉瓦造建造物の構造的課題と活用手法の研究 – 旧富岡製糸場における「ハウス・イン・ハウス」手法導入の提案 –
  • 五箇山相倉集落における農地保全に関する研究
  • 木彫仏像の修理における理念と手法の変遷に関する一考察 – 後補塗重ねに関する調査を中心に –
  • 建築病理学的視点に基づくRC建築の治療
  • 英国ランドマーク・トラストによる宿泊施設としての歴史的建造物の活用手法
  • 石材を中心とした多孔質材の強化方法に関する研究

2007年度

  • 危機遺産としてのエルサレムに関する研究
  • ペルー共和国における盗掘の特徴とその対策
  • 露出展示遺構の保存評価試案
  • 名勝としての「展望地点」の保護に関する研究
  • 歴史的建築物におけるモザイクの劣化と保存に関する研究
  • 伝統的建造物群保存地区における街路舗装の現状と課題
  • リビアにおける考古遺跡保護の重要性とその展望 – サブラータ遺跡とトルメイタ遺跡を事例に –
  • ボロブドゥール遺跡修復事業における国際協力
  • 日本ハリストス正教会におけるイコン保存に関する一考察
  • “石のまち”大谷の景観特性とその認識に関する研究
  • フィンランドにおける二十世紀建築遺産の保護に関する研究 – 建築雑誌 Arkkitehtiの分析を中心に-
  • 麦積山石窟に見られる珊瑚形装飾を付けた菩薩像に関する研究
  • 歴史的街区の保存における修景の研究 – 日向市美々津重要伝統的建造物群保存地区における修景の問題点と適切な視点 –
  • 金属遺物における腐食生成物の形態的特徴と腐食抑制への試み
  • 中央アメリカ・エルサルバドルの土製構築物に用いる修復材料の検討
  • 中国「歴史文化名城」制度における歴史文化遺産保護の特徴 – 上海市近現代建築保護の事例として –
  • 危機遺産に関する研究:世界遺産の保護と管理の重要性
  • 文化財建造物保存における技能者研修制度の成果と課題 – 選定保存技術保存団体認定団体による研修を中心として –
  • 武力紛争時の文化財保護制度の形成に関する研究 – 両大戦間期における動向 –

2006年度

  • 歴史的街区における文化財インタープリテーション
  • 伝統文化としての茅葺きに関する研究  - 世界遺産白川郷を事例として –
  • 京都北山における森林景観の変遷に関する研究
  • 近代土木建造物「水門」の保存に関する研究  - 茨城県利根川水系を対象として –
  • GHQ/SCAP文書にみる文化財保護法の成立過程
  • 文化遺産保護に果たすメセナの役割
  • 世界遺産「ルアン・パラバンの町」(ラオス)の保存にみられる国際協力の特徴
  • 文化財の危機管理に対して阪神・淡路大震災が与えた影響の検証  - 歴史的建造物を中心として –
  • 白川村荻町における水環境とその変遷に関する研究
  • 熊野参詣道の位置づけと価値  - 文化遺産、観光、地域住民との関係 –
  • 横浜市における歴史的建造物の保存方法の研究
  • 「武力紛争の際の文化財の保護のための条約の履行に関する報告書」にみられる平和時の軍事的措置
  • 川上村における人と空間の関わりの変遷と文化的景観に関する研究
  • 世界文化遺産の記述に関する基礎的研究  - 記述項目、記述形式および記述標準の比較分析 –
  • 地域の“記憶”の継承に関する研究  - 福島県南相馬市原町地区における考察 –
  • 世界遺産「麗江古城」の保存と観光開発に関する研究  - 束河地区を事例に –
  • 伊勢神宮お木曳行事に関する研究
  • 可視光線、赤外線下でのデジタルカメラ撮影を利用した浮世絵版画に使用される着色料の同定
  • 文化財保存修復における人材育成  - カンボジア・世界遺産アンコールでの国際支援 –
  • 合成樹脂による劣化したコンクリート造文化財の防水処理
  • 考古遺産における文化財情報提供に関する研究  - 過去と現在をつなぐデジタル情報技術の可能性 –

2005年度

  • 文化財を対象とした観光における情報提供に関する研究
  • 考古遺産の活用における住民参加の可能性に関する研究
  • 文化財に用いられた炭酸カルシウム原材料の形態学的研究
  • 旧富岡製糸場の産業遺産としての価値評価の研究 – 世界遺産登録されている英国の旧紡績工場との比較研究 –
  • 日本における文化遺産教育の現状と課題に関する研究 – 小・中学生を対象とした意識調査を基に –
  • 文化財を資源とする観光マネジメントモデルの分析と提案
  • 新たな遺産概念としての「文化の道」に関する研究
  • 工芸品にみられる琉球文化の独自性について – 近世琉球漆器と紅型からみる琉球王国の二重性 –
  • 文化遺産・麦積山石窟の評価に関する一考察  - 麦積山石窟の造営概念を通して –
  • タイにおける文化財の社会的役割に関する研究
  • 世界遺産条約の成立過程及び日本の同条約批准に至る経緯
  • 国際憲章・勧告に見る遺産と「記憶」の関係
  • 歴史的都市における木造軸組住宅の保存  ‐ イングランドとドイツの事例研究 ‐
  • 負の歴史をもつ世界遺産の意義
  • スリランカ仮面舞踊に見る無形文化遺産保護の課題
  • 映像作品における文化財活用の実態と課題 – フィルムコミッション活動を中心に –
  • 麦積山石窟第26、27号窟に関する一考察  - 壁画を中心に
  • 韓国における伝統集落の持続的な保存体制構築に向けた観光整備のあり方 – 慶州良洞マウルと順天楽安邑城マウルを事例に –