修了生の声
Voice of Graduates

学生による学位プログラム紹介動画
Introduction Movies by Students

修了生が在学中の思い出を動画にまとめ,学位プログラムの魅力をつたえてくれてます♪

2015年度修了生が2年間の思い出をまとめてくれました!!どうぞ、御覧ください。

博士前期課程修了生
Graduates of Master’s Program

井上葵
2015年度修了 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

世界遺産にはもちろん興味はありましたが、ユネスコを研究のテーマにしていたため、特定の遺産や分野に絞ることなく、幅広く様々な授業を取りました。そのため1年生の夏休みは演習ばかりになり、家にいる時間が無くなる程、様々な場所に行きました。また、環境問題にも興味があったので、自然保護寄付講座の授業を生命環境科学の生徒と一緒にとっていました。世界遺産を通して、物事を多角的に見ることを学び、違う価値観を持つ人々と議論した経験は仕事に活かされています。

現在は公益社団法人日本ユネスコ協会連盟というNGOで働いています。UNESCO憲章に賛同し、平和を目指す団体です。業務は教育を中心に多岐に渡り、東日本大震災で経済的に困窮している生徒を支援する奨学金の事務局から教員向けの研修会の開催、小学校での出前授業、日中韓の高校生を集めた交流会の運営など様々です。最近ではSDGsに関係する業務が増えてきました。SDGsとは多くの企業や行政も取り組んでいる「持続可能な開発目標」という国連が発表した、世界中の人々が取り組まないといけない目標です。

学位プログラムには世界遺産の名の元に様々なバックグラウンドや興味を持つ生徒、先生が集まっています。自分の研究を深められることはもちろん、今まで知らなかった分野の話を聞き、視野を広げ、新たな考え方を得ることができます。

田村謙治
2009年度修了 国際連合教育科学文化機関(UNESCO)パリ本部(文部科学省から出向)

一年次は、国内外の文化財保護政策から美術史・保存科学まで幅広い科目を履修し、二年次は、ブランデンブルク工科大学(ドイツ)に第一期留学生として留学し、大学の授業およびUNESCO本部世界遺産センターへのインターンシップを通じて見聞を広めました。修士論文は、UNESCOインターンの経験を活かし、世界遺産保護のための国際機関とプライベート・セクターの協力構築のこれまでと今後をテーマに、文献調査やUNESCO職員へのインタビュー等を通じて掘り下げ、学位プログラム博士前期課程の年間最優秀論文賞を頂きました。

国際連合教育科学文化機関(UNESCO)パリ本部のコミュニケーション・情報局で、「世界の記憶」(Memory of the World)事業の担当職員として、世界の貴重な記録遺産(documentary heritage=古文書、石碑、映画フィルムなど、主に文字や視聴覚媒体で過去の記憶・記録を今に伝える遺産)の保全のためのグローバル・プロジェクトを担当しています。学位プログラム卒業後、2011年に文部科学省に事務職で入省し、日本ユネスコ国内委員会事務局、文化庁文化財部、復興庁など約9年間の本省勤務の後、2019年7月からUNESCOに出向しています。

私は学部3年生で進路に迷っていた時に、ウェブサイトで世界遺産学学位プログラムの存在を知り、世界の文化遺産・自然遺産を守り、その大切さを伝えることを仕事にしたいという夢を胸に、世界遺産学学位プログラムに入学しました。学位プログラムで得た多様な学びと仲間との出会い、そして「修士・世界遺産学」の学位は、就職後も自分の大きな財産となり、UNESCO職員としての今に繋がっています。「意志のあるところに道は開ける。」皆さん、ぜひ勇気を持って、世界遺産学学位プログラムの扉を開いてみてください。

中谷一穂
2012年度修了 文化庁 文化資源活用課 文化遺産国際協力室

在学中は専ら授業・ゼミに出席する傍ら、時間を見つけて国内外の世界遺産を見て回っていました。また、世界遺産保護の実際の現場を見たく、2年に進級する際に1年間休学してアフリカのタンザニア共和国でインターンシップを経験しました。日本と全く異なる文化的背景と制度を持つ国における文化遺産保護の取組はとても興味深いものでした。修士研究では世界遺産と持続可能な開発をテーマに、諸外国の文化遺産に関する国際協力の取組等について調査を行いました。

卒業後は文部科学省に入り、現在は文化庁で主に国内の世界文化遺産の保護に関する業務を担当しています。世界遺産に登録された日本の文化遺産が適切に保護されるよう、ユネスコや地方公共団体等の関係者と連絡・調整を行うとともに、地域コミュニティ等による世界遺産に関する普及啓発や人材育成等の取組に対して支援を行っています。また、次に世界遺産への登録を目指す世界遺産暫定一覧表に記載された資産について、地方公共団体等と連携しながらユネスコへの推薦に向けた準備を行っています。

世界遺産という制度は条約上の仕組みだけでなく関連する国内の文化財・自然環境保護制度や所有者・地域コミュニティの役割など多様で幅広い事柄が関係しており、世界遺産学学位プログラムではそれらを包括的に学ぶことができます。皆さんの進路でそれらがどのように役立つかは分かりませんが、少なくとも私にとっては知識・視野の幅が広がり、意義のある在学期間だったと思います。もし興味・関心があれば、一度先生方にお話を聞きに来てはいかがでしょうか。

下村優理(旧姓中村)
yuri shimomura │ 2005年度修了 堺市 市長公室 世界文化遺産推進室 (技術職員)

在学中は、文化財保護に関する様々な分野について学び、また、各分野の専門家から話を聞く機会に恵まれました。一期生ということで前例がないゆえの困難もありましたが、異なる専門を持つ同期と共に一緒に学ぶことで、興味の幅がさらに広がりました。 修了後は、文化財建造物保存技術協会に3年間勤務し、歴史的建造物の保存修理に携わりました。調査やCAD図・修理工事設計図書の作成が主な仕事で、実務を通して多くの知識を身に付けることができました。
そして、平成21年4月、建築史専門の職務経験者として堺市に入庁し、世界遺産担当の部署へ配属されました。現在、堺市では「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産登録に向けた取組みを進めており、世界遺産の動向や海外類似資産の調査、登録基準の検討等が私の担当する仕事になります。 文化財専門の職を得るのは容易なことではありませんが、今後、たくさんの修了生に挑戦して欲しいと思います。

内海美佳
mika uchiumi │ 2006年度修了 特定非営利活動法人 茅ヶ岳歴史文化研究所学芸員

世界遺産学学位プログラムでは、世界遺産白川郷の景観を支えている伝統文化「茅葺き」について研究をしていました。「茅葺き」は、屋根を葺くという技術だけではなく、茅の育成から葺き替え時の相互扶助まで、循環する伝統文化によって成り立っています。それらは時代の変遷により形を変えていきます。そのような変化する文化と、それを反映し、やはり変化していく文化的景観の保全に関心があります。 現在は、埋蔵文化財センターと歴史民俗資料館の指定管理者をしているNPOで学芸員として働いています。企画展作りや、小中学生への教育普及活動等に加え、地域にある文化財の活用事業にも力を入れています。最近の文化財活用の場面では、民間の力や新しい発想が求められています。活用に対する世間のニーズは、その土地や対象によって変わります。多くの事例に触れ、文化財の保存・活用における手法の選択肢を増やし、今後の活動に活かしていきたいと思っています。

田島さか恵
sakae tajima │ 2006年度修了 独立行政法人 国際交流基金 情報センター

修士研究では「文化遺産保護に果たすメセナの役割」をテーマに、企業メセナや助成財団へのヒアリングを中心に事例研究を行いました。修了後は修士研究を活かし、(財)助成財団センターに就職し、助成財団による助成プログラムの情報収集や、助成を必要としている研究者やNPOの相談対応、また、助成財団職員への研修会の開催等に従事しました。 現在は(独)国際交流基金に勤務しています。国際交流基金は、文化芸術交流、日本語教育、日本研究・知的交流の3分野を柱として、日本の国際文化交流を中核的に担う機関です。私は情報センターという部署で「国際交流基金賞」と「地球市民賞」という顕彰事業を担当しています。国際文化交流の第一線で活躍する方や、地域に根ざした先導的な活動を行っている団体との関わりの中で、日々“文化の力”について考えさせられ、やりがいを感じています。

石川志穂
shiho ishikawa │ 2007年度修了 外務省 在トルコ日本大使館 外交官補

イスラエルで勤務する機会があり、エルサレムをはじめとする歴史的な町や遺跡の歴史に触れるうち、歴史的遺産・遺跡の整備・活用に関心を持ち始めました。ちょうどその時期に筑波に世界遺産学学位プログラムが出来たことを知り、受験を決意しました。入学後は、初めて触れる建築学や建築史、美学、考古学等々様々なテーマの授業があり、かつ実習も多く含まれていたことから、自ら足を現場に運んで考える機会に恵まれました。学ぶうちに最終的には修士論文の研究テーマとして、地域研究と世界遺産研究の観点から『危機遺産としてのエルサレムに関する研究』をまとめました。 また、修了後の就職については、研究テーマに関連した領域に、将来的に臨むことが出来るとの考えから外務省専門職試験を受けました。現在はトルコ語の研鑽に日々努めている最中ですが、ゆくゆくは中東地域あるいは世界遺産条約の担当として勤務する機会がめぐってくることを強く希望しています。

金子勇太
yuta kaneko │ 2007年度修了 国際文化財株式会社 関東支店 調査員

学部生の時、文化人類学と考古学を学びましたが、遺跡と現代社会との関わりに興味を持ち、この学位プログラムに進学しました。修士論文では、南米のペルーで深刻化している盗掘の問題を掘り下げながら、遺跡と周辺住民の関係について論じました。 卒業後は民間企業に就職し、主にODA案件を対応する部署に所属しています。文化財に関わる開発案件はまだまだ数が少ないのですが、近年ではエジプト、スリランカ、グアテマラなど世界各国で事業化されており、今後ニーズが高まる分野だと思います。仕事内容は、現地の資料集め、新規案件の営業から提案書作成まで多義にわたり、一言では書ききれませんが、とてもやりがいを感じています。世界遺産学学位プログラムのすばらしさは、外部との交流だと思います。他大学や省庁など様々な機関の方々と接する機会が度々あるため、自らの見聞とネットワークを広めるには絶好のフィールドだと思います。

春名美玲
Mirei Haruna │ 2008年度修了 公益財団法人 東京都公園協会

世界遺産学学位プログラムでは富山県五箇山の農地景観が世界遺産や文化財保護の枠組みでどのように守られ、暮らしとともにどう変わっているのか、そして景観を保全するための取組について研究を行いました。修了後は緑のある景観を管理し保全したいと思い、都立公園や庭園等を管理する会社で、文化財庭園の管理やイベント企画など観光資源として文化財をマネジメントする業務の後、企画部門にて社内全体の計画立案や経営に関わる業務に携わっています。
大学院で今に活きている経験は、授業などで多くの文化財管理の現場を間近で見て、「保護と活用」のバランスをとりながら管理する方々の話を聞くことができたこと、世界遺産という複合的な課題を考えるにあたり、様々な観点から調べ、考え、議論する訓練ができたことです。
世界遺産というとグローバルなものに見えるかもしれませんが、国内の各地域に興味を持つ方にとっても多くの事例や考え方を学ぶことができる場です。ぜひ世界遺産学の門戸を叩いてみて下さい。

 

博士後期課程修了生
Graduates of Doctoral Program

河﨑衣美
2013年度修了 奈良県立橿原考古学研究所

私はこの世界遺産学学位プログラムで文化遺産の保存科学に関して研究し、博士前期課程と後期課程を修了しました。私の学位論文のテーマは煉瓦や石材の保存に関することで、材料科学的な視点から文化遺産の保存を考えることでした。保存科学の研究はともすればミクロの世界に没入してしまう可能性もありますが、演習やその他のフィールドワークにおいて様々な文化遺産の保護活用の現場を体験する機会に恵まれ、専門性を突き詰めながら学際的な視点を持って研究することを学びました。

現在は奈良県の保存科学担当者として、主に埋蔵文化財の保存処理や保管管理、附属博物館の展示環境管理等を行うと同時に、保存科学に関する研究を継続しています。特に保存処理においては、木製品や金属製品、遺構の保存など、素材や規模、時代や保存体制も様々なモノを対象としており、在学中に広い視野を持って学べたことが現在の業務に活きていると感じています。

現在の職に就いて改めて思うことは、文化遺産の保存には柔軟な思考が求められるということです。世界遺産学学位プログラムは多彩な専門性を持つ先生方と学友達からの多角的な刺激を受けられ、柔軟な思考を育てる掛け替えのない場であったと感じます。

山川志典
2018年度修了 静岡県富士山世界遺産センター学芸課 研究員

私は学部では民俗学を学位プログラムしましたが、これからの地域文化の継承に関心を持ち、文化遺産保護制度の研究をしたいと思い進学しました。研究では、文化遺産保護に関する法令・計画・報告を収集し把握しました。また、自治体職員や地域住民の方のお話を伺ったり、実際に文化遺産を訪ねたりしました。資料取集や情報整理に苦戦することもありましたが、ゼミでの指導教官やゼミ生から指摘を受けることで、研究を進めることができました。

静岡県富士山世界遺産センターは、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の世界遺産登録を受け、2017年12月23日に開館しました。私は、民俗学・文化遺産学の研究員として富士山の信仰や適切な保護に関する調査研究を進めると共に、その成果を伝える館内展示の企画運営をしています。また、時には館を出て、市町村の生涯学習講座や小中高等学校の授業の講師として世界遺産の仕組みや富士山の価値と継承について伝えることにも取組んでいます。

入学後の自身の研究や修了後の就職に不安があるかもしれませんが、世界遺産学学位プログラムでは、多様な授業や機会を通じ、「文化や自然を遺す」ことを学んでいきます。その中で出会う「楽しい」が、研究や就職のきっかけになると思います。

渡邉真菜美
2018年度修了 公益財団法人 自然保護助成基金

主に文化遺産保護に関わる授業を履修しながら、修士課程ではドイツの歴史的都市における観光の影響について、博士課程では奈良県吉野における国立公園および世界遺産の成立過程について、研究していました。その間、1年間のドイツ・コットブスへの交換留学と、半年間のスイス・IUCNでのインターンシップを経験し、貴重な国際経験を積むことができ、自分の人生においてとても大きな転機となり、深く感謝しています。

勤務先は、篤志家の方が設立された民間の助成財団で、自然保護に資する国内外の研究や活動のプロジェクト(年間約40件)を経済的に支援しています。私は研究員という肩書ですが、業務は多岐に亘ります。助成事業の募集から案件審査、助成、報告の一連の流れで発生する事務を行うとともに、発表会などのイベントの準備・運営、ニュースレターや報告書集の編纂など、常に複数の仕事を並行して管理しています。ときには、遠隔地のプロジェクトサイトを視察することもあります。

研究テーマ設定に悩むことと思いますが、様々なアドバイスを参考にしつつも、最終的には自分がこの学位プログラムでの時間をどう過ごしたいかだと思います。ここでの人と人のつながりは、人生の財産になります。出会いを大切にしていただければと思います。

馬 紅博士(学術)
ma-hong │ 2009年度修了 中国 中山大学観光学院 講師

私は2005年4月に筑波大学大学院芸術研究科修士課程世界遺産学学位プログラム(現・人間総合科学研究科博士前期課程世界遺産学学位プログラム)に初の留学生として入学しました。2007年4月には筑波大学人間総合科学研究科博士後期課程世界遺産学学位プログラムに進学し、2010年3月に同課程を修了しています。

修士・博士課程の5年間を通じて斎藤英俊先生の研究室に所属し、中国の遺産保護と観光振興に関する研究や文化遺産の持続的維持・管理に関する研究を特定テーマとして取り組んできました。それらの研究を基盤として、博士論文のテーマが設定されました。博士論文の研究は、中国の少数民族地域の文化遺産の保護と観光振興の両立が果たして可能であるのかを世界遺産「麗江古城」を対象とし、現地調査を踏まえて分析・考察したものであり。この研究は『中国における文化遺産としての歴史地区の持続可能な観光開発のあり方に関する研究―世界遺産「麗江古城」束河地区を事例として―』と題して2009年11月に学位請求論文として筑波大学に提出され、2010年3月には学位が授与されました。
現在は、中国に帰国し、広州に位置する中山大学で講師を務めています。同大学の旅遊学院観光計画学科で文化観光と文化遺産のマネージメントなどの講義をするのと同時に、文化遺産と観光の研究を続けています。

筑波大学で過ごした5年間は、私にとっては、一生忘れられない貴重な時間でした。修士1年の時から卒業後も、先生たちの授業を聴くのが好きでした。また、学外演習や研究室で行う歴史地区の保存対策調査などの研究プログラムに参加し、世界遺産学学位プログラムにおいて実施した中国の世界遺産「麗江古城」での現地調査及び宮崎県日向市美々津の伝統的建造物群保存地区の調査に積極的に参加しました。それから、文化庁が後援するユネスコの国際会議へのボランティア参加などの経験から、文化遺産と観光の課題についての国際的視野を広げてきています。

これらの経験から、帰国後、日本と中国の制度および理念の同異を比較しながら、世界遺産をはじめとする中国における文化遺産と観光振興の両立について研究を深めようとしています。世界遺産学学位プログラムからいただいた知識と素晴らしい経験は私にとっては、一生その恩恵を受けることになるに違いないです。

境野飛鳥
Asuka Sakaino│ 2009年度修了 東京文化財研究所 文化遺産国際協力センター アソシエイトフェロー

在学中は、文化財保護法の成立過程について研究していました。振り返ってみると、じっくりと一つのことに取り組むことができた筑波での5年間は、本当に贅沢な期間であったと感じています。世界遺産学学位プログラムには様々な専門分野の先生方がいらっしゃることもあり、研究テーマが決まるまで時間がかかりましたが、その時先生方からいただいたアドバイスによって、その後の私の進路が大きく変わったと思っています。
現在は、東京文化財研究所の文化遺産国際協力センターにおいて、諸外国の文化遺産保護に関する理念、条約、法制度、保護の状況についての調査・研究に従事しています。様々な国での現地調査に同行させていただき、また、世界遺産委員会をはじめとする国際会議に出席する機会も得ており、学生院生時代には考えられなかったほど、幅広い経験をさせていただいています。

オソリオ・カッティ
Katti OSORIO │2010年度終了 Current occupation Independent professional

I have fond memories of my days as a student on the World Heritage Study programme of the University of Tsukuba. Most especially, about rich and interesting class discussions and research field trips to places such as Tomioka Silk Mill, Asakusa Temple and others; also, about working together with my classmates and the master course students at Shirakawa-Go Village, Daiou-Ji Temple, and other wonderful heritage sites. In Panama, I worked for two years at the National Institute of Culture before entering private practice of architectural conservation. I have published a few articles regarding world heritage property in Panama. My studies at Tsukuba proved invaluable at working towards creating awareness regarding the importance of the World Heritage Convention principles, and regarding the fragile state of Panamanian world heritage sites. My goal is to contribute my work to their preservation and management.

李素妍
LEE soyeon│ 2011年度修了 鳥取大学地域学部地域環境学科 専任講師

学生時代には保存科学を主たる専門分野として勉強し、博士後期課程では鉄製遺物の微生物腐食を研究対象としました。現在の仕事では文化財の保存科学を学生に教えており、保存科学に関連する講義、演習およびフィールドワークにおいて世界遺産学学位プログラムにおける様々な経験が活かされています。学生時代の保存科学ゼミで訪問していたカンボジア、韓国、エルサルバドルでの研修経験をもとに、現在ではゼミの学生とともに韓国での学外研修を行っています。また、様々な世界遺産に関する講義を受講したことをもとに、世界遺産と文化財保存科学を関連づけて講義をすることに努めています。筑波大学世界遺産学学位プログラムにおいて広い世界を経験させてくださった恩師のように、今後、文化財の保存科学を通じて学生に様々な世界を体験する機会を設け、学生がその経験をもとに新たな道を拓けるように手助けしたいと努めています。