修了生の声
Voice of Graduates

学生による専攻紹介動画
Introduction Movies by Students

修了生が在学中の思い出を動画にまとめ,専攻の魅力をつたえてくれてます♪

2015年度修了生が2年間の思い出をまとめてくれました!!どうぞ、御覧ください。

博士前期課程修了生
Graduates of Master’s Program

下村優理(旧姓中村)
yuri shimomura │ 2005年度修了堺市 市長公室 世界文化遺産推進室 (技術職員)

在学中は、文化財保護に関する様々な分野について学び、また、各分野の専門家から話を聞く機会に恵まれました。一期生ということで前例がないゆえの困難もありましたが、異なる専門を持つ同期と共に一緒に学ぶことで、興味の幅がさらに広がりました。 修了後は、文化財建造物保存技術協会に3年間勤務し、歴史的建造物の保存修理に携わりました。調査やCAD図・修理工事設計図書の作成が主な仕事で、実務を通して多くの知識を身に付けることができました。
そして、平成21年4月、建築史専門の職務経験者として堺市に入庁し、世界遺産担当の部署へ配属されました。現在、堺市では「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産登録に向けた取組みを進めており、世界遺産の動向や海外類似資産の調査、登録基準の検討等が私の担当する仕事になります。 文化財専門の職を得るのは容易なことではありませんが、今後、たくさんの修了生に挑戦して欲しいと思います。

内海美佳
mika uchiumi │ 2006年度修了特定非営利活動法人

茅ヶ岳歴史文化研究所学芸員世界遺産専攻では、世界遺産白川郷の景観を支えている伝統文化「茅葺き」について研究をしていました。「茅葺き」は、屋根を葺くという技術だけではなく、茅の育成から葺き替え時の相互扶助まで、循環する伝統文化によって成り立っています。それらは時代の変遷により形を変えていきます。そのような変化する文化と、それを反映し、やはり変化していく文化的景観の保全に関心があります。 現在は、埋蔵文化財センターと歴史民俗資料館の指定管理者をしているNPOで学芸員として働いています。企画展作りや、小中学生への教育普及活動等に加え、地域にある文化財の活用事業にも力を入れています。最近の文化財活用の場面では、民間の力や新しい発想が求められています。活用に対する世間のニーズは、その土地や対象によって変わります。多くの事例に触れ、文化財の保存・活用における手法の選択肢を増やし、今後の活動に活かしていきたいと思っています。

田島さか恵
sakae tajima │ 2006年度修了独立行政法人 国際交流基金 情報センター

修士研究では「文化遺産保護に果たすメセナの役割」をテーマに、企業メセナや助成財団へのヒアリングを中心に事例研究を行いました。修了後は修士研究を活かし、(財)助成財団センターに就職し、助成財団による助成プログラムの情報収集や、助成を必要としている研究者やNPOの相談対応、また、助成財団職員への研修会の開催等に従事しました。 現在は(独)国際交流基金に勤務しています。国際交流基金は、文化芸術交流、日本語教育、日本研究・知的交流の3分野を柱として、日本の国際文化交流を中核的に担う機関です。私は情報センターという部署で「国際交流基金賞」と「地球市民賞」という顕彰事業を担当しています。国際文化交流の第一線で活躍する方や、地域に根ざした先導的な活動を行っている団体との関わりの中で、日々“文化の力”について考えさせられ、やりがいを感じています。

石川志穂
shiho ishikawa │ 2007年度修了外務省 在トルコ日本大使館 外交官補

イスラエルで勤務する機会があり、エルサレムをはじめとする歴史的な町や遺跡の歴史に触れるうち、歴史的遺産・遺跡の整備・活用に関心を持ち始めました。ちょうどその時期に筑波に世界遺産専攻が出来たことを知り、受験を決意しました。入学後は、初めて触れる建築学や建築史、美学、考古学等々様々なテーマの授業があり、かつ実習も多く含まれていたことから、自ら足を現場に運んで考える機会に恵まれました。学ぶうちに最終的には修士論文の研究テーマとして、地域研究と世界遺産研究の観点から『危機遺産としてのエルサレムに関する研究』をまとめました。 また、修了後の就職については、研究テーマに関連した領域に、将来的に臨むことが出来るとの考えから外務省専門職試験を受けました。現在はトルコ語の研鑽に日々努めている最中ですが、ゆくゆくは中東地域あるいは世界遺産条約の担当として勤務する機会がめぐってくることを強く希望しています。

金子勇太
yuta kaneko │ 2007年度修了国際文化財株式会社 関東支店 調査員

学部生の時、文化人類学と考古学を学びましたが、遺跡と現代社会との関わりに興味を持ち、この専攻に進学しました。修士論文では、南米のペルーで深刻化している盗掘の問題を掘り下げながら、遺跡と周辺住民の関係について論じました。 卒業後は民間企業に就職し、主にODA案件を対応する部署に所属しています。文化財に関わる開発案件はまだまだ数が少ないのですが、近年ではエジプト、スリランカ、グアテマラなど世界各国で事業化されており、今後ニーズが高まる分野だと思います。仕事内容は、現地の資料集め、新規案件の営業から提案書作成まで多義にわたり、一言では書ききれませんが、とてもやりがいを感じています。世界遺産専攻のすばらしさは、外部との交流だと思います。他大学や省庁など様々な機関の方々と接する機会が度々あるため、自らの見聞とネットワークを広めるには絶好のフィールドだと思います。

渡邉浩良
hiroyoshi watanabe │ 2008年度修了株式会社ツーリズム・マーケティング研究所 研究員

2009年3月に世界遺産専攻を修了し、この春から社会人となった。世界遺産専攻で学んだことは多く、一言で言い表すことは難しい。それでも、強いて挙げるとすれば、大好きな文化財や世界遺産に「私なりにどのようにアプローチをしていくかを示してくれたこと」だと思う。 世界遺産専攻の特色は、「多様性(Diversity)」にある。考古学、建築、都市計画、造園学、美術史、保存科学、哲学と多方面から世界遺産に対してアプローチをしている先生方。そして、学問、年齢、社会人経験や国籍などのバックグラウンドの異なる学生。 こうした視点の異なる先生方の講義や同輩との議論は、毎日「誰のため、何のため、どうやって、世界遺産に携わるべきか」を考えさせるものだったと実感している。 まだ、社会人になって間もなく、大きなことは言えないが、観光コンサルタントという立場から、文化財や世界遺産を後世に引き継ぐお手伝いができたらと思う。

春名美玲
Mirei Haruna │ 2008年度修了公益財団法人 東京都公園協会

世界遺産専攻では富山県五箇山の農地景観が世界遺産や文化財保護の枠組みでどのように守られ、暮らしとともにどう変わっているのか、そして景観を保全するための取組について研究を行いました。修了後は緑のある景観を管理し保全したいと思い、都立公園や庭園等を管理する会社で、文化財庭園の管理やイベント企画など観光資源として文化財をマネジメントする業務の後、企画部門にて社内全体の計画立案や経営に関わる業務に携わっています。
大学院で今に活きている経験は、授業などで多くの文化財管理の現場を間近で見て、「保護と活用」のバランスをとりながら管理する方々の話を聞くことができたこと、世界遺産という複合的な課題を考えるにあたり、様々な観点から調べ、考え、議論する訓練ができたことです。
世界遺産というとグローバルなものに見えるかもしれませんが、国内の各地域に興味を持つ方にとっても多くの事例や考え方を学ぶことができる場です。ぜひ世界遺産学の門戸を叩いてみて下さい。

 

博士後期課程修了生
Graduates of Doctoral Program

馬 紅博士(学術)
ma-hong │ 2009年度修了 中国 中山大学観光学院 講師

私は2005年4月に筑波大学大学院芸術研究科修士課程世界遺産専攻(現・人間総合科学研究科博士前期課程世界遺産専攻)に初の留学生として入学しました。2007年4月には筑波大学人間総合科学研究科博士後期課程世界遺産専攻に進学し、2010年3月に同課程を修了しています。

修士・博士課程の5年間を通じて斎藤英俊先生の研究室に所属し、中国の遺産保護と観光振興に関する研究や文化遺産の持続的維持・管理に関する研究を特定テーマとして取り組んできました。それらの研究を基盤として、博士論文のテーマが設定されました。博士論文の研究は、中国の少数民族地域の文化遺産の保護と観光振興の両立が果たして可能であるのかを世界遺産「麗江古城」を対象とし、現地調査を踏まえて分析・考察したものであり。この研究は『中国における文化遺産としての歴史地区の持続可能な観光開発のあり方に関する研究―世界遺産「麗江古城」束河地区を事例として―』と題して2009年11月に学位請求論文として筑波大学に提出され、2010年3月には学位が授与されました。
現在は、中国に帰国し、広州に位置する中山大学で講師を務めています。同大学の旅遊学院観光計画学科で文化観光と文化遺産のマネージメントなどの講義をするのと同時に、文化遺産と観光の研究を続けています。

筑波大学で過ごした5年間は、私にとっては、一生忘れられない貴重な時間でした。修士1年の時から卒業後も、先生たちの授業を聴くのが好きでした。また、学外演習や研究室で行う歴史地区の保存対策調査などの研究プログラムに参加し、世界遺産専攻において実施した中国の世界遺産「麗江古城」での現地調査及び宮崎県日向市美々津の伝統的建造物群保存地区の調査に積極的に参加しました。それから、文化庁が後援するユネスコの国際会議へのボランティア参加などの経験から、文化遺産と観光の課題についての国際的視野を広げてきています。

これらの経験から、帰国後、日本と中国の制度および理念の同異を比較しながら、世界遺産をはじめとする中国における文化遺産と観光振興の両立について研究を深めようとしています。世界遺産専攻からいただいた知識と素晴らしい経験は私にとっては、一生その恩恵を受けることになるに違いないです。

境野飛鳥
Asuka Sakaino│ 2009年度修了 東京文化財研究所 文化遺産国際協力センター アソシエイトフェロー

在学中は、文化財保護法の成立過程について研究していました。振り返ってみると、じっくりと一つのことに取り組むことができた筑波での5年間は、本当に贅沢な期間であったと感じています。世界遺産専攻には様々な専門分野の先生方がいらっしゃることもあり、研究テーマが決まるまで時間がかかりましたが、その時先生方からいただいたアドバイスによって、その後の私の進路が大きく変わったと思っています。
現在は、東京文化財研究所の文化遺産国際協力センターにおいて、諸外国の文化遺産保護に関する理念、条約、法制度、保護の状況についての調査・研究に従事しています。様々な国での現地調査に同行させていただき、また、世界遺産委員会をはじめとする国際会議に出席する機会も得ており、学生院生時代には考えられなかったほど、幅広い経験をさせていただいています。

オソリオ・カッティ
Katti OSORIO │2010年度終了 Current occupation Independent professional

I have fond memories of my days as a student on the World Heritage Study programme of the University of Tsukuba. Most especially, about rich and interesting class discussions and research field trips to places such as Tomioka Silk Mill, Asakusa Temple and others; also, about working together with my classmates and the master course students at Shirakawa-Go Village, Daiou-Ji Temple, and other wonderful heritage sites. In Panama, I worked for two years at the National Institute of Culture before entering private practice of architectural conservation. I have published a few articles regarding world heritage property in Panama. My studies at Tsukuba proved invaluable at working towards creating awareness regarding the importance of the World Heritage Convention principles, and regarding the fragile state of Panamanian world heritage sites. My goal is to contribute my work to their preservation and management.

李素妍
LEE soyeon│ 2011年度修了 鳥取大学地域学部地域環境学科 専任講師

学生時代には保存科学を主たる専門分野として勉強し、博士後期課程では鉄製遺物の微生物腐食を研究対象としました。現在の仕事では文化財の保存科学を学生に教えており、保存科学に関連する講義、演習およびフィールドワークにおいて世界遺産専攻における様々な経験が活かされています。学生時代の保存科学ゼミで訪問していたカンボジア、韓国、エルサルバドルでの研修経験をもとに、現在ではゼミの学生とともに韓国での学外研修を行っています。また、様々な世界遺産に関する講義を受講したことをもとに、世界遺産と文化財保存科学を関連づけて講義をすることに努めています。筑波大学世界遺産専攻において広い世界を経験させてくださった恩師のように、今後、文化財の保存科学を通じて学生に様々な世界を体験する機会を設け、学生がその経験をもとに新たな道を拓けるように手助けしたいと努めています。