今日、警視庁科学捜査研究所の所長さんが保存科学研究室に来室されました。

この4月から警察庁科学警察研究所の”鑑定技術職員研究科国内研修”制度で半年間、科捜研から人を受け入れてまして、その表敬訪問とのこと。
署長クラスの階級の方とお聞きしていたのと、科捜研の研究員とは違って警察官の方と伺っていたので、普段「警察24時!!」みたいなのを見てる影響からかめっちゃ怖い人来るのかなと思ってました。

来室されてびっくり。非常に物腰柔らかく、ものすごく柔和なお方でした。
大学での研究の様子や、文化財保存、文化財科学の手法なども説明したところ、飽きずに(多分)聞いていただけ、ゆっくりと研修の様子をお話できました。

   ”取り組んでいるテーマは、消失した情報(文字)の検出 です。”

建築図面などでブループリント っていう言葉を聞いたことはないでしょうか?これは青焼き図面とも呼ばれ、建築などの図面に多用されてきましたがその技法(ジアゾタイプやシアノタイプ、乾式、湿式などいろんな作成法があります)のために色あせてしまうことが知られています。
あくまでコピーで、オリジナルの版は残っていないことが殆どなんです。
官公庁などの建物の図面として保管されているのはたいていブループリントです。

この図面の消失過程を明らかにして、どうやって情報を取り出すのかが課題です。

[松井敏也先生/保存科学研究室]